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給与計算

経理部門で給与計算をしている会社も多いと思います。今回は、給与計算の概要と注意点などをご紹介します。

最初に、給与明細書を見ながら給与計算の内容をご説明します。給与明細書は会社によって書式が異なりますが、基本的には下図のように5つの欄から構成されています。

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1. 標題欄・・・所属する部署名や社員名、支払月が記載されます。
2. 支給欄・・・支給する全ての項目と金額が記載されます。
3. 控除欄・・・給与から控除する全ての項目と金額が記載されます。
4. 勤怠欄・・・労働日数や有給休暇の日数など勤怠の実績が記載されます。
5. 記事欄・・・差引支給額や支払方法が記載されます。

給与明細書は本人へ渡す分と、会社で保管する分の2枚を作成するのが一般的です。本人へ渡す分は給与袋へ入れて手渡します。会社で保管する分は綴って、第3者に見られないように金庫などに格納します。最近では給与明細書を紙に印刷しないで、電子配布をする会社も多くなりました。

次に、各欄の内容です。支給欄には11ほどの項目があります。

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① 基本給・・・ 名前の通りに基本になる給与です。職能給や職務給も基本給に含まれます。
② 役職手当・・・・精皆勤手当などの諸手当 これらの手当は時間外労働などに伴う割増賃金の様に労働基準法などで定められた手当ではなく、会社が任意に支給する手当です。しかし、就業規則などで明記されていれば該当した者には支払う義務があります。
③ 時間外勤務手当・・・ 給与明細書支給欄の2行目は割増賃金の記載欄になることが多いです。最初に記載されているのが時間外勤務手当です。いわゆる残業手当の事です。
④ 深夜勤務手当 深夜勤務・・・午後10時から午前5時までの勤務を言います。
⑤ 休日勤務手当・・・ 休日とは労働基準法で定められた1週間に1度の法定休日の事を言います。
⑥ 非課税通勤費・課税通勤費・・・ 通勤手当も会社が任意に支給する手当ですが、他の手当と違うのは限度額以下だったら非課税になることです。それで他の手当と区別するために、支給欄の3行目に記載される事が多いです。
⑦ 遅刻早退控除・・・ 支給欄に控除額があるのは不思議ですが、不就労時間(働かない時間)に対しては賃金を払わないという原則がありますので、支給額から減算する意味でこの欄にあります。
⑧ 欠勤控除・・・ 遅刻早退控除と同じように、働かない時間に対しては賃金を支給しないと言う原則に従って、欠勤した場合はその金額を支給額から減算します。完全月給制ではない、日給月給制の人が対象になります。
⑨ 課税合計・・・課税合計は次ぎの算式によって計算されます。①基本給+②手当+③時間外勤務手当+④深夜勤務手当+⑤休日勤務手当+⑥課税通勤費-⑦遅刻早退控除-⑧欠勤控除=課税合計 つまり、総支給額合計から非課税合計を差し引いた金額です。所得税などはこの課税合計を基準にして計算されます。
⑩ 非課税合計・・・ 通常の場合、非課税合計は⑥非課税通勤費だけです。この金額は所得税や住民税を計算する時、課税対象から除外されます。
⑪ 総支給額合計・・・ 総支給額合計は次の算式によって計算されます。⑨課税合計+⑩非課税合計=⑪総支給額合計 つまり、各種の控除をされる前の給与の金額です。額面給与とはこの総支給額合計の事です。また、社会保険料の対象となる賃金はこの総支給額合計になります。

次に控除欄です。10項目ほどあります。

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① 健康保険・・・ 健康保険料など社会保険料は毎月の給与と、ボーナスから控除されます。毎月控除される保険料は4月~6月の給与の金額によって算出されます。ボーナスは支給される都度、保険料が算出されます。
② 介護保険・・・ 通常の場合、介護保険料は40歳以上64歳以下の社員の給与から控除されます。65歳以上の社員は年金から控除されます。
③ 厚生年金・厚生年金基金・・・ 会社によっては、厚生年金の他に厚生年金基金が加わることがあります。厚生年金基金に加入していると、老齢厚生年金を多く貰える様になります。
④ 雇用保険・・・ 雇用保険は広い意味では社会保険ですが、労災保険と共に、労働保険として区別する事もあります。ですから他の社会保険とは異なる点が多くあります。
⑤ 社会保険合計・・・ 「社会保険合計」欄をなぜ作ったのかというと、次ぎの「課税対象額」のためです。社会保険料は所得税などの課税対象から除外されているので、他の控除項目と分けて合計を計算しているのです。①健康保険+②介護保険+③厚生年金+③厚生年金基金+④雇用保険=⑤社会保険合計 となっています。
⑥ 課税対象額・・・ 所得税などの課税する対象となる金額です。次ぎの算式によって計算されます。⑨課税合計-⑤社会保険合計=課税対象額 つまり、総支給額から非課税額を除外して、更に社会保険料の合計額を除外した金額が課税対象額となり、所得税計算の基本になります。
⑦ 所得税・・・⑥課税対象額と扶養親族などの数を基本にして「給与所得の源泉徴収税額表」から所得税額を算出します。この税額表に⑥課税対象額と自分の扶養親族の数を当てはめれば、すぐ所得税額が分かります。
⑧ 住民税・・・ 住民税は前年の所得に対して課税されます。
⑨ 労働組合費・社内預金など任意控除・・・ 給与は「全額払いの原則」が労働基準法によって定められています。会社は勝手に給与から控除できないのです。しかし、社会保険料や税金は例外的に給与から控除しても良い事になっています。また、労働組合費や弁当代などの任意控除は、労働者側と会社側が労使協定を結べば控除することができるようになります。
⑩ 控除計・・・ 社会保険料を除いた控除の合計です。⑦所得税+⑧住民税+⑨任意控除=控除計 となります。

最後に勤怠欄です。勤怠欄にも10項目ほどあります。

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① 要勤務日数・・・ 要勤務日数とは、労働日の日数の事です。暦日から休日を除いた日数と同じです。給与計算では要勤務日数と欠勤日数の関係は次のようになります。①要勤務日数=②勤務日数+⑩欠勤日数
② 勤務日数・・・ 勤務日数とは、実際に勤務した日数だけでなく、勤務したと見做された日数(有給休暇)を含みます。②勤務日数=出勤日数+⑦有休消化日数
③ 勤務時間・・・ この欄に勤務時間が表示されるのは、時給者の場合です。
④ 時間外勤務時間・・・ 残業をした時間です。残業時間の端数の扱いは第2章以降をお読み下さい。
⑤ 深夜勤務時間・・・ 深夜(午後10時~午前5時)に勤務した時間です。残業や休日勤務が深夜に及んだ場合もこの項目に勤務時間が記載されます。
⑥ 休日勤務時間・・・ 休日に勤務した時間です。法定休日と法定外休日とで時間を分けている明細もあります。法定休日とは1週間に1回の休日の事で、法定外休日とはそれ以外の休日(土曜、祭日など)の事です。
⑦ 有休消化日数・有休残日数・・・有給休暇の消化最小単位は原則として1日ですが、半日から取得できる会社が増えています。有給休暇は出勤したものと見做されます。有休残日数を記載しない会社もあります。
⑧ 特休日数・・・ 特休(特別休暇)とは、会社が任意に認める有給あるいは無給の休暇です。結婚や葬式などの慶弔休暇が特別休暇になることが多いようです。
⑨ 欠勤日数・・・ 最小単位は1日ですので半日になった場合は、遅刻や早退になります。
⑩ 遅刻早退回数・遅刻早退時間・・・ 遅刻や早退をした場合、有給休暇にしない限り賃金から控除されます。遅刻や早退時間の端数処理が良く問題になりますが、残業時間と同じように計算します。

上記が一般的な給与明細の書式です。これだけ見ても多種多様な計算をしなければならない事が分かります。会計の知識は勿論ですが、その他にも労働法規や社会保険、それに税金の知識も必要になります。基本的な事だけ知っていれば結構です。

そして、注意しなければならないのは、給与関連法規が良く変わる事です。特に所得税と社会保険料関係は頻繁に変わりますので注意が必要です。

また、給与計算は間違いが許されません。社員が一生懸命に働いたのに、給与担当者のミスで給料が少なくなったら大変な問題になります。

さらに、給与担当者は社員の給料について他言してはいけません。もし、給料の事が経理部から漏れたとなると大問題になるからです。

このように細心の注意を払って給与計算をしなければならないのですが、給与が無事に支給された時には大きな充実感がありますよ。

《補足説明》

上記のように、給与関連法規は頻繁に変わりますので、給与計算ソフトを使う場合はソフトの年間保守が必要になります。年間保守を契約していると、ソフト会社から更新データが送られてきます。給与計算ソフトを購入する際は、年間保守をしてくれるかどうかを確認しましょう。

下図のソフトはいずれも年間保守契約のあるソフトです。

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1.有給休暇繰越表 2.体重管理表 3.資金繰り表 4.損益分岐点図表 5.金種計算表 6.経営分析表 7.月次損益計算書 8.労働保険料集計表 9.残業等集計表 10.簿記練習帳 11.タイムカード管理表 12.時給計算表 13.会社カレンダー 14.買掛金支払明細表 15.現金照合表 16.弁当集計表 17.個人別社会保険料 18.社会保険管理表 19.部門別人員表 20.年数管理表 21.給与データ入力票 22.主要勘定照合表 23.労働週間資料 24.SO家計簿 25.血圧管理表 26.香典管理表 27.家族年表  28.会社年表  29.3年日誌  30.人生の節目 31.手形管理表 32.先入先出法 33.親族一覧表 34.短縮版体重管理表  35.短縮版血圧管理表 36.売上帳  37.仕入帳    38.売掛金元帳  39.買掛金元帳  40.未払金元帳  41.朝夜版血圧管理表  42.減価償却表(定額法)  43.減価償却表(定率法) 44.毎日の献立表  45.介護が始まる日  46.ごみ処理便利帳   47.日用品管理表   48.事務用品管理表    49.席順作成表  50.商品説明書  51.労働者名簿   52.親族関係図
《ソフト一覧表》



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参考になりました。

 はじめまして、イージー給料計算ホームページ担当です。
 当方は、エクセルで動く給料計算ソフト「イージー給料計算」を作成しています。
 検索エンジンから貴ブログを訪れ、給料計算について詳細かつ丁寧に書かれている内容を拝見させていただきました。

 大変詳しい内容で、とても参考になりました。どうぞよろしくお願いします。
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